(1)コミュニティ政策学部の開設
21世紀はコミュニティの時代とも言われる。社会の動向や人間の意識が予想以上に急速な変化を遂げている時代の要請に応え、本学でも全国に先駆けて、地方・地域の問題を取り上げる学部を創設しようという議論が起こった。学部設置申請から2年を経た平成10(1998)年4月、本学第三の学部としてコミュニティ政策学部が誕生した。
学部の名に冠せられる「コミュニティ」という言葉は学内外で繰り返し問題となった。また、学部の内容がこれまでにない総合的な内容を持つものであったことから、他の学部と違い、まず学内外へ当学部の趣旨を理解してもらうことが重要であった。
短期大学の入学定員120名を移動させ、新たに70名(うち留学生14名、帰国生徒7名を含む)の増員を得て、入学定員190名、3年次編入学定員20名、収容定員800名の新学部としてスタートした。
(2)家政学部の改組
家政学部が家政系大学として全国で初めて男女共学に踏み切った昭和62(1987)年以来、家政学部の教育内容を生活科学として変革するよういっそうの努力が続けられた。それは生活上での家庭の位置づけが急速に低下しつつあるにもかかわらず、家庭の存続と繁栄を自明のこととし、家庭生活を中心とする生活現象に教育・研究の対象を限定してきた従来の家政学に、疑義が生じていたからである。
平成3年、各大学が個性を発揮し、多様な発展を図っていけるよう大学設置基準の改定が行われ、設置基準が大綱化された。これによって、教育内容などで大学の裁量が大幅に認められたことや、「家政」と「生活」が等価と考えて良いという文部省の通達があり、当時、家政系の多くの短大で「生活学」または「生活」を冠する学科へ名称変更する動向が見られたこと、が相まって、家政学変革に向けての動きにいっそうの拍車がかかった。
6年、豊かな生活の追究のため、時間的ゆとりの側面と空間的ゆとりの側面からそれぞれにアプローチしてきた欧米文化コースと被服コースを、生活文化コースに統合した。これによって家政学部は生活事象を自然科学的に扱う栄養・食品科学コースと、社会・人文科学的に扱う生活文化コースの2本立てとなった。
家政学部は開設以来、入学定員は恒常定員が50名と小規模であったが、臨時定員(30名)の恒常化を機に、抜本的な学部改革を行うことになった。平成9年、安城学園政策室で描かれた未来構想のなかで、大学と短大の栄養士養成施設の改革が優先課題として取り上げられた。それを受けて家政学部は平成14年、家政学専攻と管理栄養士専攻の2専攻体制に改組した。入学定員も短期大学から60名を移動させ140名とした。
(3)経営学部経営情報学科の増設
本学の経営学部経営学科が発足したのは昭和62年であった。開設3年目には定員200名に対して志願者が4,300名を超え、この数はまさに経営学部に対する社会的必要性の高さを示していた。
こうしたなか、産業・経済・社会の高度情報化への進展を考慮し、本学園理事会は経営学部に経営情報学科を増設することを決定した。平成2年に文部省に設置申請したが、問題があり再申請するまでに2年間を費やした。
5年4月、経営学部に第二の学科、経営情報学科が入学定員100名、3年次編入10名、収容定員420名で誕生した。