第5節 学びの泉育成プログラムの展開

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(1)食物栄養学科

食物栄養学科では、平成26年(2014)より教養科目として「無限の可能性開発講座」を新たに開講し、「社会人基礎力」の必要性やその能力要素について教授している。また、「無限の可能性開発講座」以外のすべての科目においても社会人基礎力育成の機会を設け、能力要素ごとに評価して、科目の成績評価にも反映している。「建学の精神」については、平成27年(2015)より寺部保美副理事長(当時)に「創立者の生き方、人生観及び建学の精神を学ぶ」をテーマとしてご講話いただいたり、学生には寺部だい先生自伝の「おもいでぐさ」を読んでの感想をレポートにまとめるなどしたりしている。また、令和3年(2021)は「わたしのおもいでぐさ」を作成させた。これは先の「おもいでぐさ」を熟読し、学園のあゆみの章から心に残ったことや感動したことを整理した上で、自分の生い立ちから現時点を振り返りをさせたものである。「pⅰsa型学力」については令和3年(2021)より各科目の筆記試験に、「課題解決型」の問題を出題するなど、各科目でも獲得できるように取り組んでいる。これら「社会人基礎力」「建学の精神」「pⅰsa型学力」は、学外での活動である、産学連携事業、地域貢献活動、栄養士学外実習などでも育成、獲得することとしている。

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一方で、「自ら学ぶ」システムを強化した。食物栄養学科では、2年次の12月に全国栄養士養成施設協会が主催する「栄養士実力認定試験」を受験している。この認定試験は、栄養士の資質向上と質の均1化を図ることを目的としたものであり、学生にとっては2年間の集大成といえる試験である。令和2年(2020)から、この試験対策としてGoogle Formsを用いた本学科オリジナルの「自学Webシステム」を開発し、稼働した。この「自学Webシステム」の特徴は、過去問題の解説を各担当教員が授業内容とリンクしオリジナルで作成することで学生にとって理解しやすくなったことと、Webシステムとしたことにより、スマートフォンで手軽に、どこでも、短時間でも取り組めるようになったことである。その結果、令和2年度(2020)の当試験の本学平均点は短期大学の全国平均点だけでなく、4年制大学の平均点を上回ることができた。更に、個人でも、短期大学生の中で1位、4年制大学生を含めても全国8位の成績を修めることができた。今後は、このシステムを更に強化・改良し、栄養士の実力向上を図ることとしている。

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(2)幼児教育学科

「学びの泉」育成プログラムについて本格的に検討されたのは、平成26年度(2014)からである。社会人基礎力推進委員会では、社会人基礎力に特化した科目設置に向けて、各学科が検討を進めることとなった。幼児教育学科は、前期は「無限の可能性開発講座」、後期は「教養ゼミナール」で取り組むこととなった。

令和2年度(2020)から、社会人基礎力推進委員会のもと、自学・共学システム「学びの泉」構築に向けて学科会議で検討を始めた。1年次科目「無限の可能性開発講座Ⅰ・Ⅱ」を、学びの泉育成プログラムとして、本格的に取り組んでいくこととなった。

令和3年(2021)には、初年次に建学の精神について学ぶ機会が必要であるとのことから、1年次前期「無限の可能性開発講座Ⅰ」において、寺部保美副理事長(当時)のご講演をお願いすることとなった。本学創立に至るまでの寺部だい先生の人生を、自伝「おもいでぐさ」を通して語っていただいた。当時のだい先生のお写真や生のお声も拝聴することができた。学生たちは、女性が高等教育を受ける機会が少なかった時代に、女子高等教育機関設置という夢の実現に向かって信念を貫き通した寺部だい先生の生き方に深く感銘を受け、建学の精神についてより理解を深めた。更に後期「無限の可能性開発講座Ⅱ」において、教育制度を専門とする教員により、建学までの日本の歴史背景や教育事情等についての講義の機会を持った。

令和2年度(2020)から進めていた「学びの泉」自学・共学システム構築については、幼児教育学科においては、「pisa型学力・建学の精神・自然体・直観力・社会人基礎力・自ら学ぶ・共に学ぶ」の7項目について、表に示す教育のステージごとに具体的に取り組むこととしている。今後、学内外の学びの場における実践を通して、更に充実した「学びの泉」教育実践をめざしていくこととしている。

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(3)生活デザイン総合学科

学科設立以来、建学の精神については1年次の「学びとライフプランニング」にて「おもいでぐさ」を読んで「真心・努力・奉仕・感謝」の建学の精神を学び、創立記念日を直前にした時期に本学園の歴史を伝えることで徳育を展開している。令和3年(2021)は「おもいでぐさ」を教材化する試みを行い、グループワークによって創立者の信条を知るとともに建学の精神の実践に向けての学びを深めている。

「社会人基礎力」については、年度初めにジェネリックスキルテストを実施することでコンピテンシーを測り、客観的指標に基づく行動特性の評価を行い、1年次の「無限の可能性開発講座」にて、「社会人基礎力」12項目の意識付けをし、2年次の「総合ゼミナール」にて様々な活動を通して発揮し獲得した「社会人基礎力」を検証し、学内外での「社会人基礎力育成グランプリ大会」ではその成果を発表している。

学則には本学科の教育目標は、本学の教育目標と教育方針のもとに、「真心・努力・奉仕・感謝」の四大精神の実践を通して社会的に自立して生きていく上で必要な ①スキル・リテラシー・教養等に関する一般的知識・技能 ②変化する社会の中で自己の価値観を確立しながら職業の選択だけでなくライフスタイルを自らデザインできる能力に必要な専門的知識・技能 ③建学の精神・社会人基礎力・pⅰsa型学力を総合的に身に付け、社会に出てからはこれらの知識・技能をベースに生涯学習社会の中で自己の潜在能力を更に開発しながら、職場と地域の課題解決に貢献できる人材を育成することであるとしている。この目標を達成するためのシステムが、「智・徳・体・感・行」に基づいた自学・共学システム「学びの泉」であり、「pⅰsa型学力」「建学の精神」「自然体」「直観力」「社会人基礎力」を4つのステージ(教室・学校・地域・海外)でそれぞれ自学・共学による教育実践を開始している。

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