第4節 さらなるイノベーションを求めて 岡崎城西高校の未来(future)

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男子校時代はもとより共学になっても、「質実剛健・己に克つ・勇気と努力を持って困難に立ち向かう剛毅闊達な人間」の育成という建学の精神に基づいた教育は、本校教育の基盤となっている。
半世紀の歴史の中で、「難関大学への合格を目指す学習活動」・「全国の強豪と競い合う運動部の活動」・「地域と連携した自主活動」を通して純朴で精神力の強い逞しい人間を育てるために、「Self-control & Communication」という新しい教育目標を掲げ、政治・経済を含む社会環境の変化に対応してきた。
長い歴史の中には全校生徒数2,200名、クラス定員が50人、専任の持ち時間が23時間を超えるときもあった。そして、このような時代の中で500人を超す3年生全員に1週間のテント生活をさせ、北アルプスの3,000メートル級の山に挑戦させてきた。そこには苦しさも笑い飛ばしてしまう生徒と教員の明るさとガムシャラさとがあった。お互いの足らないものを補いながら、裸の心で助け合って大自然に挑戦する行事の中に教育の真髄があった。装飾された言葉は役に立たず、己の知力・徳力・体力を駆使して岩山に挑むとき、人間としての信頼関係が生まれ、「己に克つ」心が磨かれた。ガリ版鉄筆の時代から教育機器も進歩し、コンピューター・スマートフォンの時代を迎えたが、教員が生徒と共に汗を流した「夏山合宿の精神」を忘れてはならない。
人の背丈や顔立ちが異なるように、人間の心の鍛え方にも違いがある。入学した生徒のそれぞれに適した方法で無限の可能性を伸ばす学校として、地域から信頼される「『行ける学校』ではなく『行きたい学校』」になることを目指したい。これまで50年の歴史と伝統を持った本校が100年の歴史と伝統を有し、地域にしっかりと根を張った逞しい大木になることを願うものである。

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