第1節 全体の流れ

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(1)自学・共学システム「学びの泉」の構築

愛知学泉短期大学の教育目標は、社会的に自立して生きていく上で必要な①スキル・リテラシー・教養等に関する一般的知識・技能と②職業に関する基礎的・体系的な専門的知識・技能と③建学の精神・社会人基礎力・pⅰsa型学力・直観力・自然体を統合的に身に付けて、地域および国際社会に貢献する社会人を育成することである。この目標の達成に資するため、令和4年度(2022)からの本格的な「自学・共学システム『学びの泉』」の運用に向けて、その構築に向けた取り組みを開始している。ここでいう本学園独自の「自学・共学システム『学びの泉』」とは、智性・徳性・身体・感性・行動の5つをバランスよく鍛え上げ、そして自ら主体的に学び、また共に学ぶ姿勢を鍛え上げることを指している。「智性」については課題解決に必要な知識・技能等を「獲得する力×活用する力×活用して解決する力」の3つを統合した学力であるpⅰsa型学力を身に付けることである。「徳性」については、創立時から継承している「真心・努力・奉仕・感謝」の四大精神の実践を通して、「建学の精神」を身に付けることである。「行動」については、3つの能力(前に踏み出す力・考え抜く力・チームで働く力)とそれぞれに対応した12の要素から構成される「社会人基礎力」を身に付け、行動できることである。なお、「身体」と「感性」を鍛え上げる学修システムの構築については、今後取り組むこととしている。本学では、自学・共学システム「学びの泉」の手引書として、「学泉ノート」を作成しており、学生は、これを学修・学生生活・就職の各活動の場で活用して、「学びの泉」の獲得能力の状況を自らの検証に役立てている。

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(2)入学者の推移

本学において入学定員の堅調な充足を維持していた生活デザイン総合学科は、平成23年度(2011)入学生以降定員割れの状況となり、平成28年(2016)に一旦回復したものの、平成29・30年度(2017・18)再び入学者は未充足となった。

食物栄養学科では、平成14年(2002)に併設大学家政学部家政学科管理栄養士専攻の開設に伴って入学定員の減員を行って以来、本学が基盤とする三河および静岡県西部地域の2年制の栄養士養成に対する要請を踏まえ、入学定員40人からの増員が懸案となっていた。

そこで、本学の持続的な発展の観点から、入学定員の適正化を図ることとした。先ず、平成30年度(2018)開始に合わせて、食物栄養学科の入学定員は40人から70人へ増員し、これに伴い生活デザイン総合学科の入学定員を160人から130人へ減員した。この対応の結果、平成29年(2017)まで好調な募集状況であった食物栄養学科は、同年度の募集で未充足の状況に陥ったが、令和3年(2021)には概ね回復した。また、同時に減員した生活デザイン総合学科は、翌年度の平成31年(2019)以降、入学定員数を上回る堅調な学生募集状況を維持している。

一般的に、4年制大学を含めた幼稚園教諭並びに保育士養成に係る施設の増加と卒業後の就職面でいわゆる社会的格差問題等の諸要因の影響もあり、昨今は、多くの養成施設で学生募集の低迷が見受けられている。一方、本学幼児教育学科では、平成30年(2018)までは若干の入学者の未充足の状況もあったが、概ね定員を充足していた。しかし平成31年(2019)より本幼児教育学科においても大幅な入学定員割れを来たし、同様の傾向は令和4年(2022)の学生募集においても見られている。本学は、「短大将来構想委員会」を組織して、幼児教育学科に関しては適正定員並びに教育実施体制のあり方について抜本的な見直しの検討を行うこととしている(第6節 将来展望-第2項参照)。

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(3)認証評価並びに相互評価の受審

この10年間を振り返ると、本学では、一般財団法人大学・短期大学基準協会を認証評価機関とする第2クールと第3クールの2度にわたる「認証評価」を受審し、いずれも「適格」の審査結果を得て、これら評価内容は公表されている。

平成25年(2013)の第2クールの受審では、本学が自己点検評価の活動をどのように行いPDCAサイクルを効果的に回転させて教育の質の向上が図られているかについて点検を受け、評価がなされた。

令和2年(2020)の第3クールの受審では、本学が自主的・自律的に教育・研究の質を向上させ、保証する仕組みを整備するなどの内部質保証のシステムを確立し、これによって教育プログラムの点検・評価・改善の仕組みや教職員の能力開発に資するFD及びSD活動の実態、更に学修環境や学生支援の点検・評価、そして教育・研究活動の有効性の検証等教学マネジメントの体制と実施状況、並びに学長・理事長のリーダーシップとガバナンスの状況について評価がなされた。折りしも、新型コロナウイルス感染症の拡大により、「緊急事態宣言」の発出を受け、本来は評価員が来学して対面による調査(訪問調査)を受ける予定であったが、オンライン会議システムを使用した調査(6号館・情報教室使用)となった。そのため、認証評価機関並びに評価員とのオンライン会議に備えた事前の補足資料の提出や種々の連絡等で、ALO(第三者評価連絡調整責任者)を務める津島忍教授を始め自己点検評価委員はこの対応に追われることとなった。

本学は、平成28年(2016)11月、第1回目の「相互評価」の相手短期大学であった湊川短期大学(兵庫県3田市)による訪問調査を受け、第2回目の「相互評価」を受審した。この評価活動は本学の自己点検評価を踏まえた教育の実態を開示し、本学の社会的使命の遂行の状況と教育実施の向上・充実の取り組みについて、相手校の視点で評価を受ける有益な機会であった。一方、本学は同年12月、相手短期大学を訪問し、相手短期大学に対する点検評価作業を実施した。これら両短期大学の評価結果は公表されている。

令和元年(2019)からは、新たに本学園役員である監事による本学教育の実施状況に対する「教学監査」事業が実施されることとなり、監事によるガバナンス体制の一層の強化が図られている。

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(4)新型コロナウイルス感染症の流行

令和元年(2019)末、突如、100年に一度といわれる新型コロナウイルスによる感染症(COVID−19)の猛威が始まり、瞬く間に世界的流行となった。我が国においてもこの感染症の蔓延を阻止しようと、政府はいち早く、令和2年(2020)2月27日、全国の学校に対して臨時休校を要請した。そして、令和2年(2020)4月16日、感染症拡大防止の対応として、愛知県を含む全国に対する特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の発出となり、様々な行事や日常の活動を自粛することとなった。この事態を受け、本学並びに併設の大学は協働で、「コロナ対策会議」を組織して、学生と教職員の安全・安心を目的とする感染拡大防止策を協議した。先ず、本学における感染状況カテゴリー(A=要注意・B=要警戒・C=危険の3段階)を定め、それぞれの範疇に相当する本学学生と教職員を対象とした「活動指針」(授業の実施、校務活動、会議、学生と教職員の課外活動、学生と教職員の出張等)を策定した。この指針に基づき、急遽、短期間での情報通信機器の活用を含む前期授業実施に向けた準備を教職員へ要請した。これによって、令和2年(2020)は、当初の予定を遅らせて非対面型による授業として開始した。一旦、5月末までの感染者数の減少による「緊急事態宣言」の解除を契機に、本学は、6月以降、学修時間と学修効果の維持に配慮して感染拡大の防止に最大限努めて、対面型授業を主に(一部非対面型併用等)本学内での授業を再開した。併せて、学生と教職員に対しては「新しい生活様式」である体温測定・マスク着用・手指消毒の励行、ソーシャルディスタンスの保持、飛沫防止用アクリル板の設置等の徹底をお願いした。再開後は、断続的な感染拡大による「緊急事態宣言」並びに「まん延防止等重点措置」の発令と解除を繰り返す中で、対面型授業を維持して学修の継続に努めた。併せて、本学では、入学式並びに卒業式の縮小を始めとして、政府の指導を受けて海外の教育交流提携大学との相互間の教育交流も中止とした。

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全国民に対するワクチン接種率の上昇と感染症対策の徹底による効果により、令和3年(2021)10月に入り一旦新型コロナウイルス感染者数は激減した。しかし、令和4年(2022)1月早々には第6波といわれる感染者数の全国的な急拡大に見舞われた。いわゆる「ウイズ・コロナ」による教育・研究活動は継続しており、治療薬の効力にも期待される中、この状況の出口は依然として不明である。

一方、政府の「教育再生実行会議」は、令和3年(2021)6月、「ポスト・コロナ期における新たな学びの在り方について」を取りまとめ、本学を含む高等教育の新たな展開に向け、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を主軸とする方策について提言した。

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