第5節 第三者評価の受審

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第三者評価の受審と認証評価機関による「適格」の認証
本学は平成13年(2001)に「建学の理念と建学の精神」に基づいた教育活動に対する自己点検・自己評価の活動を開始し、この取り組みは継続して現在に至っている。すなわち、本学は年度始めに教育および学生支援の目標と実施について事業計画書を作成し、本計画に沿った進捗または成果、さらに課題について年度末に同報告書を取り纏める過程で点検・評価を行なっている。また、個々の教員は教育の他、研究および社会的活動の全般にわたって自らの計画書を年度毎に作成し、その遂行の状況については当事者努力の検証を含めて総括して報告書を取り纏めている。このように、本学では自己点検・自己評価活動が自主的に行なわれており、第一者である学生の満足度の向上に大きく寄与している。
ところで、国は平成14年(2002)に学校教育法の一部を改正して、大学および短期大学は平成16年度(2004)から自らの教育および研究、組織及び運営並びに設備等の総合的状況について、少なくとも7年間に一度、文部科学大臣の認証を受けた認証評価機関による評価(認証評価)を受けることを義務づけた。そこで、本学は平成17年(2005)、組織的に自己点検・自己評価の活動に取り組むこととして、同活動に係る「短期大学自己点検・自己評価委員会規程」を制定した。さらに、平成18年度(2006)、一般財団法人短期大学基準協会を認証評価機関とする第1回目の第三者評価を受審する決定を行なった。そこで、認証評価機関が示す10領域の評価基準(Ⅰ建学の精神・教育理念、教育目的・教育目標、Ⅱ教育の内容、Ⅲ教育の実施体制、Ⅳ教育目標の達成度と教育の効果、Ⅴ学生支援、Ⅵ研究、Ⅶ社会的活動、Ⅷ管理運営、Ⅸ財務、Ⅹ改革・改善)にわたる評価項目、並びに本学の特色等及び将来計画を含めた自己点検・自己評価の活動が、学長以下全教職員を挙げて行なわれた。
この活動で得られた点検・評価の結果は「平成17年度版自己点検・自己評価報告書」として取り纏め、平成18年5月に公表した。あわせて、本学に対する第三者評価の実施となり、「平成17年度版自己点検・自己評価報告書」に基づく書面調査が認証評価機関の委嘱を受けた評価員によって開始された。続いて、書面調査に基づく事項を検証するため、本学へ派遣された評価員5人によって2日間にわたり訪問調査が行なわれた。訪問調査では、第三者評価連絡調整責任者(アクレディテーション・リアゾン・オフィサー、ALO)をはじめ、学園理事長ら学園本部関係者(理事長補佐・総務及び財務の各担当者)ならびに学長、事務局次長ら本学関係者(各校務分掌長・学科主任・事務職員)と評価員が1堂に会して、〝ピア・レビュー(同輩・仲間)の精神〟で面接・面談が行なわれ、また学生や教職員らと触れ合うなどの学内視察も行なわれた。その後、認証評価機関による所定の審査手続きを経て、本学が実施する自己点検・自己評価の活動状況並びに教育の現状は、10のすべての評価領域の基準を満たして「適格」であるとの評価結果が下された。これを受け、平成19年(2007)3月、認証評価機関は本学に対して「平成18年度適格認定証」を交付した。
平成20年(2008)4月に示された中央教育審議会の教育振興基本計画の答申は、「大学教育の質の向上・保証を促進する」こととして「大学評価の推進」が特記された。具体的には、大学は「建学の精神と建学の理念」に基づきどのような人材を育成しようとしているのか、その使命の実現に向けてどのような教育課程を編成し特色ある教育を実施しているのか、その結果何ができるようになったのかなど、説明責任を負うべき社会的存在として明確に位置づけられた。今回、第三者評価受審で培った一連の点検・評価活動の経験は、本学における評価文化醸成の契機となり、得られた成果は本学教育の質を保証・担保する本格的な改善努力の糸口となった。尚、本学は第2回目の第三者評価を平成25年度(2013)に受審することとしている。

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湊川短期大学との相互評価の実施
本学は短期大学相互間での評価活動(相互評価)を、7年周期で行なわれる第三者評価を待つ中間期に実施することとした。そこで、本学は関西圏に本部を置き本学と類似の学科を設置する湊川短期大学(兵庫県3田市)とのあいだで、平成20年12月、相互評価実施に関する覚書を交わした。これに基づき、湊川短期大学からは学長ら数人の評価委員が本学を訪問し、本学の「建学の理念と建学の精神」に基づく教育の姿勢や実態について検証が行なわれた。すなわち、一般財団法人短期大学基準協会が示す10領域にわたる評価基準に沿って実施した自己点検・自己評価結果について、とくに7領域の評価基準(Ⅰ建学の精神・教育理念、教育目的・教育目標、Ⅱ教育の内容、Ⅲ教育の実施体制、Ⅳ教育目標の達成度と教育の効果、Ⅴ学生支援、Ⅵ研究、Ⅶ社会的活動)に関して平成21年(2009)12月、訪問調査が行なわれた。同様に、本学からは平成22年(2010)1月、学長ら数人の評価委員が湊川短期大学へ赴き、自己点検・自己評価結果に基づく検証を行なった。これら相互間で得られた点検・評価および検証の結果は「相互評価報告書」として取り纏めて、平成22年6月に公表した。新たな相互評価活動の取り組みでは、互いの短期大学が建学の精神に基づいて行なっている教育の実施や学生の満足度の状況について、当事者努力の視点で「評価できる点」、および「今後の課題」について、対等の立場で互いに指摘する機会となり、両短期大学の教育の質の向上・充実に資する意義深い機会であった。

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