第4節 国際交流の動向

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(1)交換留学・国際交流の動向

近年、大学のグローバル化が進み、国際交流における学生・教職員の人的交流が活発化してきている。グローバル教育とは、英語の学習を始め、異文化、多様性などを世界基準で考えたり、見たりできる発想や思想を身に付ける教育方針のことを指す。国際社会で活躍できる人材を育成するために、学生に単なる外国語の習得だけではなく、異文化的背景を有する人々と共に学び生活することを通じて、国際理解力を高める環境作りが必要になる。異文化を体験できる海外派遣を一層拡充したり、海外でのインターンシップやフィールドワーク等の単位化を考案したりして心惹かれるカリキュラムの構成が若者に強く求められている。同時に、学生を指導する教員の国際感覚を高め、教員の海外派遣を充実し、教育還元できる運用も強く期待されている。

グローバル教育の取り組みは、大学だけでなく、一部の高校はすでに積極的なアプローチを行っている。特に、文部科学省は、平成23年(2011)よりグローバル化に対応するため、小学校中学年から英語教育における活動型を導入し、コミュニケーション能力を養うことを目指し実施してきている。実は、日本社会におけるグローバル時代の到来について、寺部だい先生は、すでに昭和30年代に予測されていた。いつか学園の中に世界に通用する「英語英文学科」を作りたいという夢が自叙伝の「おもいでぐさ」の中に記されていた。その夢へのアプローチとして、寺部清毅前理事長と寺部曉理事長の努力によって国際交流が実現した。昭和58年(1983)よりカナダ・カピラノ大学との協定、昭和60年(1985)より中国・北京第二外国語学院、平成20年(2008)より韓国・烏山大学、平成24年(2012)より台湾・慈済科技大学と交流協定を締結してきた。下の表は、愛知学泉大学・短期大学がグローバル教育を推進してきた実績を示すものである。

これからの日本社会における高等教育機関は、18歳人口の減少、設置大学数の増加、グローバル化の進展に伴って教育分野の格差が生じることで、大学間の学生獲得競争が更に熾烈化することが予想される。安城学園は三河地域で110年間にわたって地域の教育に多大な貢献をしてきた。今後も、一層地域への教育貢献が強く期待される。それを着実に実行するためには、地域活性化を推進できる人材や国際化ニーズに応えられるグローバル人材の育成に力を注ぐことが必要とされる。

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