第4節 将来展望

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学校法人安城学園の経営は、自主性と公共性の原理に基づいている。公共性とは(学校教育法をはじめとする)法令等のルールに従うということであり、自主性とは学園が定めた(寄附行為という)ルールに従うということである。

さて、創立以来この110年の間、本学園の教育改革に大きな影響を与えたものが2つある。一つは戦後の教育改革であり、もう一つは(現在進行中の)新自由主義教育改革である。

本学園では後者に対応するために寄附行為を平成29年度(2017)に変更した。新寄附行為では「創立者が目指した経済的・政治的・文化的に自立できる社会人を育成すること」と謳っている。経済的自立だけでなく政治的にも文化的にも自立できる社会人になって、はじめて創立者が目指した真の豊かさを享受できるのだ。つまり、「生きる意志と生きる力と生きる歓びに満ち溢れた存在になること」(建学の精神)ができるのである。

ところで、日本では明治以来「知・徳・体」に基づいて学校教育が行われ、現在に至っている。これは「『知育・徳育・体育』の3育が教育の基本原理である」とするイギリスのハーバート・スペンサーの『教育論』(1861年)を通して輸入された教育モデルである。

本学園ではこの「知・徳・体」を包含する「智性(pisa型学力)・徳性(建学の精神)・身体(自然体)・感性(直観力)・行動(社会人基礎力)」という学習モデルに基づいて、自ら学ぶ能力と共に学ぶ能力を汎用能力として鍛え上げる自学・共学システム「学びの泉」の開発によって、教育にイノベーションを興そうとしている。つまり、教科型学力と教科横断型学力を同時に育成する学習システムの開発である。

更に、この「学びの泉」は、園児から大学生に適用可能なだけでなく大人にも適用可能な、生涯学習社会における汎用的学習システムとして機能することを目指している。

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