昭和56年4月、学園内の人事異動があり、学園短大附属高校長であった富田太先生が鈴木修先生に代って校長に就任された。富田先生は、安城学園へ来られる前に長年高等学校に勤務した豊富な教育経験をもち、さらに学園3ヶ年の実績の上に本校へ赴任されたのである。
この年度末をもって岡崎城西高校は、創立20年を経過した。20年前、2万坪の広大な校地に、校舎といえば1棟のみ、運動場の周辺には背よりも高い雑草の生い茂っていたキャンパスは、今は全く昔日のおもかげをとどめぬほどの整備拡充がなされた。建学の精神として創設者の意図したのは、各自がもつ潜在する無限の能力を開発し、国家社会のための有用な人材の育成であり、三河武士の伝統を受け継ぐ「質実剛健」「己に克つ」の精神を体得させることであった。そして、創設者の心としての真心・努力・奉仕・感謝の四大精神を如何にして男子生徒に具体的に実践させるべきか、進路指導、生活指導、クラブ指導等の各領域において、試行錯誤を続けてきた20年間であった。
今後はこれをいよいよ充実発展させ、まさに急テンポで変化していく社会の状況にも対応しつつ、理想を掲げ、しかも現実を踏まえた教育を強力に推進していかなければならない。昭和57年度を中心に、その概況を以下において述べる。
① 運営組織
高校3年間は、生徒の心身の変化、進路の選択の迷い等が極めてはげしい時であり、また、男子校では上級生と下級生、先輩と後輩といった関係が生徒間で重視され、指導上、きめ細かな配慮を必要とする。こうした点を考慮して学年単位による指導を重要に考えている。
② 学級編成と教育課程
学力差の幅が大きいので、学級経営や生活指導面で配慮しつつ、学力別指導が必要であること、また、進路面で多様な生徒の実態に即し、しかも大学入試に対応して、入試科目等を重視しなければならない状況である。
この2つの主な条件に対処すべく、学級編成や教育課程に配慮を加えている。指導要領の改訂にともない、昭和57年度高校入学生の教育課程が各校で大幅に改訂されたが、これまで、本校で行ってきた教育課程は、私学ならではの、時代を先取りしたものであり、これまで十分検討実践を重ねて今日に至ってきているものであるから、本校としては大きな改訂を行うことはなかった。特に目立って改訂に力を入れたところとしては、低学年で国数英の基礎教科に力点をおき、また、可能な限りの選択制をうち出し、入試に対応する一方、就職、専修学校志望者のコースの充実と、このコースにいわゆる芸術、武道でなく、もっと幅広い芸術、武道をとり入れることを計画している。
③ 進路指導と進路状況
進路指導とは、広くは学校教育全体であり、男子一生の在り方の指導でなければならない。狭くは、生徒が将来の職業を決定するための適切な助言・指導であろう。本校の建学の精神を、激しく流動する現代社会に活かし、国家社会有用の人材育成を期して鋭意努力を傾注している。
(1)学年進行と進路指導
イ、第1学年………希望をもたせる、可能性が能力に発展することを体験させる。基礎学力充実の徹底をはかる。学習の方法を指導する、自己理解を期す等を推進し、将来いずれの方向もとり得る態勢をととのえさせる。教科の性質上3学級だけ英数国についてのスタディルームをそのままホームルームとするが、教育課程は全クラス共通とする。オリエンテーション・知能検査・校内実力テスト・旺文社テスト・進研模試・個人面接・三者懇談・家庭訪問・演習等を通して上記目標の推進をはかる。
ロ、第2学年………特に無理なく希望する進路にあわせて進路別学級編成を行う。第1学年における重要目標はさらに徹底をはかる。学級編成の実際は別表(教育課程表)の通りで、目標を同じくする者が学級を形成する意義を重視する。大学進学は文系、理系に分けるが、大学の入試科目と関連して、演習とも調整して教科の単位数の決定に充分の研究をする。また専修学校の進学希望も増加しており、基礎学力の充実をはかる。1年生と同様な外部テストに加えて、西三テストに参加させる。この時期でも、いまだ若干の生徒に進路未定の者がいるので、その指導には特に慎重を期している。
ハ、第3学年………学級編成の一部編成がえを行う。これは若干の者で進路の変更のあった最小限とする。就職においては、進路指導主事は単なる求人紹介事務取扱者にならぬよう、本校生徒が男子一生の仕事につく重大さを配慮して、個人面接等のあらゆる指導を強力に実施し、本校としての就職指導を推進する。進学では国公立大と私立大の入試科目の相違が問題になる。大幅な選択を設け徹底した実力養成を行うとともに、経験豊かな指導者が、諸資料をもとに綿密な相談にあたる。また、生徒個々人について、教科担当者が緊密な連繋をとりあって指導する。以前は大学進学が無理なら、何か短期間で特殊技能でも身につけたいと希望する場合がないではなかったが、最近では本校入学当初から専修学校進学を志望している者が出てきた。この新しい傾向に対し、充分な資料によって、慎重かつ適切な指導を行っている。
(2)演習
従来「補習」と呼んでいたものを、正規授業で貯えた基礎力の上にさらに応用力を身につける指導に力点をおく、という意味で57年度より「演習」と改めた。
まず、「時間をかける」これを本校のあらゆる教育活動を推進する上での最大の条件としている。この考え方は、単に学習だけでなく、あらゆる活動に、われわれ教職員の仕事においても、また人間関係においても同様であるとする。生徒の家庭学習が必ずしも満足すべき状態でとらえられない現在、学校における演習活動は生徒の学習意欲を刺激する効果を含めて、現況どうしても必要であると考える。現行の実施状況はつぎの通りである。
A、基本演習………週3時間(年間約60時間)。1年を3期にわけ、1年生は英数国のローティション。2・3年生は各コースの目標と時期によって最重点科目を設定する。生徒の約75%が参加(他の生徒は部活動に参加)している。
B、早朝演習………主として国公立大学希望者に対する理科を中心にした授業。同類のものとして、土曜日午後、主に古典、社会を中心にした授業を行っている。
C、特別演習
夏季……前期7月下旬8日間、後期8月下旬7日間の計15日間(一日4時間)。
冬季……12月下旬5日間(一日4時間)。
約75%の生徒が出席している。
D、集中講座………8月、1月、3月等、特別演習のない期間に主に行われ、一日4~6時間、1~2科目で、文字通り集中的な学習が行われる。
E、学習合宿………1月の入試直前の志望大学別や1・2年生の学習に対する意識高揚のため、3~5日間で、1~2科目を中心に実施される。
(3)進路状況
創立20年、本校の大学進学率は年とともに高まり、卒業生は北は北海道から南は九州の全国各地の大学に進学し、また、各地の企業に中堅として活躍している。またここ数年、専修学校の充実に伴って、理工系の専修学校進学者も増加している。就職の状況も、卒業生のまじめな勤務が高く評価され、地元大手企業に、ほぼ希望通り100パーセントの就職をしている。
つぎに、国公立大学合格数の増加が目立ち、56年度の12名に続き57年度は16名と上昇した。そのほとんどが現役合格で、57年度の16名は開校以来の記録更新となった。また、私立大学入試の結果も57年度は大量の349名が合格し、質的にも数的にも好成績をあげた。
④ 生活指導
(1)基本方針と特色
生徒が本来的に、確かにもっている自己の可能性を、知、心、体に結実させること、そして、そのための生きざまとして、質実剛健、己に克つ、勇気、努力をもって困難に立ち向うことを信条として、その体得と実践に努めること、これが本校の生活指導の基本的な考え方である。そのために本校ではつぎの確認事項がある。
イ、生徒は間違い、失敗をおかすものである。だから学校へ来ている。
ロ、生徒は絶対に進歩し向上していかなければならない。
ハ、教育技術だけではとても生徒は動かない。情熱が極めて大切だが、それだけではやはりむづかしい。その相乗積と考える。
ニ、生徒の、男子一生という観点に立って考える。
ホ、見て見ぬふり、悪いことを指摘しない先生を生徒は決して望んでいない。
以上5つから本校での生徒への対し方、指導の心構え、方針の殆どが生れている。また、本校では、さらに、卒業生との精神的なむすびつきが強い。このことが本校の生活指導上の大きな力となっている。
本校の生活指導は、組織的制度的なものというより、学級担任を中心とした個別的指導の色彩が強い。これは、長所は勿論多いが欠点もあるので、これを補う努力を特に必要とする。担任、学年主任、生活指導部の不断の連絡と交流の中で、「生徒を何とかしよう」「生徒一人一人の心の中にエンジンとブレーキを育てよう」の心構えで指導にあたる。
(2)指導の実際
始業前5分間のショートタイム(生徒一人一人の面接の態度で行う)、ロングタイム、全校集会、学校長講話(1年生対象、建学の精神、人生観を語る)、個人面接(平素「おい、どうだ」と声をかけること、目立たない生徒との接触に意を注ぐことを含めて)、保護者を含めての三者懇談会、家庭訪問(定期および随時)、校外指導(登下校時および随時)、を通して指導する。また、出身中学校との連絡、さらには、カウンセリング、性格検査、意識調査を利用しての指導をすすめている。
(3)自転車通学者の指導
現在、オートバイ問題は下火になり、新しく自転車通学者の問題が重要な課題となっている。以前から増加傾向にあった自転車通学者は54年度から急増し、現在1,300台余の自転車を収容する校内施設は壮観といわざるを得ない。これにともない交通事故も増加傾向にある。
51年度
自転車通学数 768
在籍数に対する比(%) 47.7
53年度
自転車通学数 936
在籍数に対する比(%) 57.4
54年度
自転車通学数 1,119
在籍数に対する比(%) 65.1
57年度
自転車通学数 1,359
在籍数に対する比(%) 70.0
これに対し、学校では、毎日登下校時に、教師が通学路に立ち交通指導を行う一方、ヘルメット着用をすすめ、自転車の整備点検指導を厳しくしている。さらに、学年集会、ロングタイムなどを通じ、くり返し交通安全意識の高揚につとめている。
⑤ 年間行事
4月……入学式、始業式、対面式、新任式、1年生オリエンテーション合宿(校内)、個人面接、2・3年進路ガイダンス、2・3年単位追認定考査、全学年実力テスト、1年クラブ登録、クラブ編成、身体測定、身体検査、レントゲン撮影、1・3年心電図検査、内科検診、演習授業開始、2・3年前期学級委員・生徒会役員選出認証、自転車整備点検
5月……PTA役員会、PTA総会、野外活動、後援会役員会、生徒会総会、1年演習授業開始、2・3年進研模試、中間考査、3年就職模試、2年旺文社模試、夏山合宿実行委員会、総体地区予選
6月……研究授業、公開授業、意識調査、更衣、3年全統模試、三者懇談会、3年旺文社模試、3年西三テスト、球技大会、中学との教育連絡会、PTA役員会、歯科・耳鼻科検診、学校集団登山研修会、夏山合宿下見、1年知能テスト、日脳予防接種、総体県大会、東海大会
7月……学期末考査、1・2年クレペリン検査、3年夏山合宿、終業式、前期特別演習講座、集中講座、自習教室、全校家庭訪問、クラブ強化練習・合宿、学力強化合宿、保護者勉強会、特別校外生活指導
8月……特別演習講座、集中講座、自習教室、家庭訪問、クラブ強化練習・合宿、学力強化合宿、特別校外生活指導、出校日、成績不良者出校日、就職相談、修学旅行下見、総体全国大会
9月……始業式、再追考査、第2期演習開始、校内実力テスト、後期学級役員・生徒会役員選出認証、3年全統模試、3年旺文社模試、創立記念日
10月……更衣、3年全統模試、体育祭、中間考査、私学祭式典、音楽会、美術・写真・書道展、3年三者懇談会、3年西三テスト、1・2年旺文社模試、PTA役員会・親睦ソフトボール大会、就職試験
11月……全学年進研模試、3年全統模試、3年旺文社模試、強歩大会、文化祭、学園創立70周年式典、インフルエンザ予防接種、私学連合音楽会、本校入試説明会、私学振興推進大会、同窓会、PTA役員会、2年修学旅行、学園記要発行
12月……学期末考査、終業式、冬季特別演習講座、スキー訓練、特別校外生活指導、集中演習講座
1月……始業式、再追考査、1・2年実力テスト、第3期演習講座開始、1年進研模試、2年西三テスト、3年学年末考査、PTA役員会、共通一次試験
2月……1・2年三者懇談会、マラソン大会、3年再追考査・単位追認定考査、予餞会、3年特別演習講座、壮行式、卒業証書授与式、本校入学試験
3月……1・2年学年末考査、弁論大会、音楽鑑賞会、避難訓練、修了式、特別校外生活指導、集中演習講座、1・2年再追考査、単位追認定考査、新入生説明会
⑥ 施設・建物 (昭和57年11月現在)
安城学園70周年記念事業として、中央棟の増築、自転車置場兼雨天トレーニング場(収容台数は560台であり、雨天には運動場のトレーニング場として設計されたもので、県内教育施設では初めてである)の新築、正門および中庭の造園、総合浄化槽(2,000人余の処理能力をもつ)の設置が完了し、さらに、体育活動の一層の進展を期して、舳越町地内に、1万8,312平方米の土地が確保され整地もすすめられようとしている。
⑦ クラブ編成と活動状況
1年生は全員登録、2・3年生は希望者とし、卒業条件の一つにクラブで1年間活動することを入れている。問題もあるが、部活動と切りはなさず、週1回の活動だけでなく、常時活動すること、また2ヶ年、3ヶ年続けて活動することを奨励している。輝かしい成果もすばらしいが、3ヶ年黙々とクラブ活動に励むうちに培われる人間性を尊いものとして大切に扱っている。また、勝利の記録を全校に披露することにより、他の生徒に自信と意欲をもたせるように配慮している。
最近の主な成果はつぎの通りである。
(1)運動クラブ
サッカー部
52年度 青森国体1名出場。
53年度 県高校総体優勝・全国高校総体出場。(福島)
長野国体6名出場。
アジアユースサッカー選手権に梶野智幸出場。
全国高校選手権県大会準優勝。
54年度 県高校総体優勝・全国高校総体ベスト8。
全国高校選手権大会出場。
55年度 県高校総体優勝・全国高校総体ベスト8。
〃 国体県予選優勝。
〃 栃木国体4名出場。
〃 県選手権優勝・全国高校選手権3位。
56年度 県高校総体準優勝。
〃 東海大会優勝。
〃 1年生県大会優勝。
〃 県選手権優勝・全国選手権出場。
57年度 県高校総体準優勝。
〃 1・2年生県大会優勝。
バスケット部
52年度 県高校総体第3位・全国高校総体に出場。
55年度 県選手権準優勝。
56年度 選抜大会予選第3位。
陸上競技部
53年度 東海大会1500M(4位)、5000M(5位)・全国高校総体出場、赤堀正司。
54年度 東海大会1500M(6位)、1500障害(6位)・全国高校総体出場、八巻尚良。
〃 ジュニアオリンピック200Mに山本久義出場。
55年度 東海大会100M(2位)・全国高校総体(4位)山本久義。
〃 山本久義、国体県予選100Mで1位、栃木国体で優勝、10秒84。
〃 日本、中国ジュニア大会100Mで山本久義優勝。
56年度 東海大会1500M(5位)、1500障害(3位)で脇田貴司・全国高校総体10位。
〃 滋賀国体で棒高跳(3位)・吉田雅昭4M20。
〃 1年生県大会、400M(1位)早川剛、棒高跳(1位)青山昇幸。
57年度 県高校総体400M(2位)岡田孝行。
〃 東海大会棒高跳(3位)青山昇幸・(4位)吉田雅昭、1600Mリレー(6位)で全国高校総体出場。
ハンドボール部
53年度 国体県予選準優勝。
54年度 県高校総体準優勝。
〃 宮崎国体2名出場。
55年度 県選手権準優勝。
56年度 滋賀国体1名出場。
〃 県選手権優勝。
57年度 県高校総体準優勝。
〃 東海大会準優勝。
〃 県選手権優勝。
軟式庭球部
53年度 新人戦県大会団体優勝。
54年度 県高校総体団体優勝・全国高校総体出場。
56年度 県高校総体個人(3位)で中根卓也・柴田浩組全国高校総体出場。
〃 滋賀国体1組出場。
剣道部
52年度 青森国体1名出場。
〃 新人県大会優勝。
57年度 県高校総体優勝(個人)吉田正幸。
〃 全国高校総体出場。
野球部
54年度 県高校選手権5回戦進出。
55年度 春季西三大会優勝。
57年度 春季西三大会優勝。
〃 春季県大会ベスト8。
〃 全三河大会ベスト8。
バレー部
57年度 高校総体西三河大会3位で県大会出場。
柔道部
55年度 秋季西三選手権、並びに1年生大会優勝。
56年度 全三河選手権大会優勝。
56年度 東海大会県予選5位。
〃 全三河体重別大会(個人)55キロ以下優勝、86キロ以下優勝。
57年度 国体県予選、軽量級3位。
バトミントン部
55年度 新人戦三河大会で2組が5回戦進出で県大会出場権獲得。
57年度 県高校総体団体ベスト8、個人ベスト8。1年生県大会団体第4位。
卓球部
54年度 県大会3回戦進出3名。
56年度 高校総体三河大会3位で県大会に出場。
56年度 1年生大会西三大会(個人)2位。
水泳部
55年度 新人戦県大会に10名出場、200Mバタフライ(5位)、100M背泳(5位)。
56年度 新人戦県大会100Mバタフライ(1位)100M背泳(3位)。県高校総体出場。
57年度 県高校総体、水球5位。
パワーリフティング部
56年度 県高校大会、軽量級、優勝と2位。中量級、優勝。重量級2位。
57年度 第1回全日本ジュニア選手権、52キロ級(1位)佐々木光司、56キロ級(1位)加藤紀正。
スケート部
53年度 ショートトラック・スピードスケート世界選手権(4位)長坂宏
56年度 県選手権3000M(優勝)・1500M(2位)全国高校総体出場・次井克則。
ワンダーフォーゲル部
56年度 高校総体県大会8位。
57年度 高校総体県大会5位。
応援部は各クラブの試合に、西三大会から全国大会まで出かけ、縁の下でクラブの活躍を支えている。
(2)文化クラブ
33のクラブがあり、11月の文化祭での研究発表を中心目標として活動をしており、ここ数年その内容は、量・質ともに著しく充実している。
写真部 青春の内面や社会・風景を対象にした、芸術性の高い作品は定評がある。
美術部 油絵を中心に、水彩・彫塑・デザイン等を制作。私学展等に出品。
書道部 昭和55年度私学展の毎日賞受賞等三河私学のホープ。
漫画研究部 8年間同人誌「はみだし」を発刊。アニメーション制作も行なう。高い水準をもつ。
映画研究部 8ミリ映画製作を7年行なう。「夏山合宿」は校内指導にも活用されている。
木工部 ユニークな発想で、いろいろな作品を製作。
吹奏楽部 55年度私学音楽会中日賞受賞。運動部の試合応援にも活躍。
合唱部 55年度NHKコンクール初出場で入賞。50名余の本格的男性合唱団。
ギター部 本年度発足、クラシック。
自然科学部 天体気象観測と化石採集の長年の研究蓄積の成果は県下でも有名。
化学部 実験を中心に地道に活動。
生物部 「矢作川水系の生物」をテーマに長年の研究活動を続けている。
アマチュア無線部 回路研究や製作実習を中心に毎日活動。
数学研究部 「作る数字」を中心に活動。
計算機部 コンピュータープログラムの技術修得のため、毎日活動。
園芸部 緑いっぱいの環境づくりに活躍。
地金魚研究部 毎日飼育観察で研究を続ける。
囲碁部 級資格取得と全国大会出場を目標に研究をつづけ、技量の向上も著しい。
英語部 英語の紙芝居製作等に成果をあげる。
英語検定部 英語検定受験学習中心に活動。
児童文学研究部 人形劇創作で活躍。
文芸部 自分たちの作品で雑誌を発刊。
外来語研究部 日本語の中にある外来語を研究。
歴史部 岡崎周辺の民俗調査を長年続け、着実な成果をあげている。
まつり部 近隣市町村、時には遠方にも出かけて学術的調査を行っている。
地理部 各地の産業活動を調査、他県へも出かける。
社会部 近代日本、現代日本の研究を行なう。
経済研究部 工場見学、討論などで行なう。
茶道部 男子点前、近隣の茶会へも出かける。
鉄道研究部 鉄道標型のレイアウト製作、遠方へ調査にも出かける。
弁論部 話し方の訓練、大会への出場を目標に地道な活動を行う。
新聞部 校内ニュースを中心に新聞を発行。
インターアクト部 盲学校の子供達や地域へのボランティア活動など「奉仕と国際理解」を目的に活動。
⑧ 教職員研修
教育という仕事の成果のほとんどすべてが「教師」という「人」によって決定づけられる。従って本校の教職員が、教育の専門家としての情熱を燃やし技術を向上させることは、教育進展の上で絶対の条件である。しかも、本校の教職員には転勤がほとんどない。本校の教職員は、本校の建学の精神にもとづいて集った将来にわたっての本校の教職員である。このことは、本校教育を推進する上で極めて恵まれた条件であるが、それだけに研修が重要である。左記の諸研修を行っているが、何よりも校内における一致した情熱の高揚に努力している。
①、研究授業……模範授業、新任者や経験者の研究授業、公開授業を各教科毎に組んでいる。授業を材料にしての反省会を大切にしている。
②、教科会……毎週1回を原則とするが、随時行っている。授業、考査、評価に関するうちあわせ、経験、交流、反省等を主とするが、新しい試みの討議や教師としての幅を広げる研究発表の場でもある。
③、諸講座……外部講師を本校に招いての講演や講座は、さらに一段の充実を期さねばならない。
④、研修会への参加……県内高校の諸研究会への参加の他、私学独自のものとして、私学協会の教科研究会、県私学教育研修会、中部地区私学教育研修会、全国私学教育研修会、日本私学教育研究所主催の諸研修会、各団体主催の研修会に積極的に参加している。
⑤、研究発表……右記研修会での発表もあるが、その中心は、安城学園55周年を記念して発刊の始まった「学園紀要」である。今までに10号を数え、そのテーマはつぎの通りである。内容的には、教育実践報告が中心であるが、個人研究や紀行文等も含まれている。
「学園紀要」本校関係内容一覧
第1号(1967年1月)
現実像から理想像へ-具体的生徒像の開発へ 岩城留吉
生徒指導と生徒理解 神谷欣吾
特別教育活動の実践-本校クラブ活動の推進をめぐって 安藤祐暁
国語教育上の問題点 水野三郎九
体力測定・循環機能測定に関する一考察 山野井和夫・平尾元・端俊明・柴田和秀
“Essays of Elia”に見るLambの人間観 堀江弘史
岡崎市滝町の民俗 正木昭一
第2号(1967年12月)
機械(自動車を含めて)に対する人間の弁証法的在り方について-主として交通事故対策について- 岩城留吉
評価についての一考察 山野井和夫
本校における読書の実態 国語科
生徒指導における親と子の意識の問題 神谷欣吾
岡崎市周辺の作業歌 正木昭一
第3号(1968年12月)
理科教育における一考察 理科
本校生徒の就職についての考え方調査 武藤武夫
受験勉強と栄養・睡眠・体づくりについての一考察 波部征夫
教育の基本理念について-ゲーテへの一つの試み- 石川勝治
欧州雑記 高橋進次
第4号(1969年12月)
本校の頭髪-長髪への記録- 鈴木修
テスト結果よりみた複素数・ベクトル指導への考察とベクトルの内積について 高山正春
鳳来寺山付近の地質について 山本正典
Moby Dickについて-覚えがき的随想- 久米昭次郎
第5号(1970年12月)
本校LT特別テーマについて 運営委員会
遅刻・欠席の多い生徒の指導-EIPC利用を中心として- 神谷欣吾
クラブ活動の展開-自然科学クラブの記録- 山本正典
リルケにおける愛の問題-「マルテの手記」を中心に- 石川勝治
第6号(1972年11月、創立60周年記念号)
本校漢字教育への指針 国語科
日本史の理解と表現 社会科(小竹曠司)
本校数学教育における指導上の留意点について 数学科
将来の本校における科学教育 理科
体力の発達についての一考察 体育科
普通科における英語教育の多様化 英語科(小栗哲郎・中島達哉)
標準得点分布の1学習 学習指導部(笹浦弘良・佐治登・安田純治)
就職者の実態・意識調査 職業指導部(塚平啓造・岩月昌司・内藤公久)
第7号(1975年1月)
上代比較文学試論 小西和生
高賀山にまつわる伝承 北浦茂
「ハワーズエンド」試論-レナードの死を中心として- 渡辺洋視
第8号(1977年11月、創立65周年記念号)
昭和52年度入学生における入学前の課題について 数学科
夏山合宿 竪山隆三・村上脩一、笹浦弘良、武藤武夫、小竹曠司、渡辺洋視、鴨下行男、黒野治、安藤祐暁
クラブ指導の記録-地理クラブ- 阿部孝雄
近視者と学習能力に関する一考察 山野井和夫
本校における保護者の教育意識-息子に個室を与えることについて- 武藤武夫
第9号(1980年1月)
欠席の減少を目ざして 鈴木修・黒野治・中嶋昭一
ローテーションによる必読図書の指導(中間報告) 鈴木修・中島達哉・武藤武夫・小竹曠司
Where Angels Fean to Tread 渡辺洋視
奥飛騨・愛知県のエビス講 北浦茂
中国-見・聞きしたまま、感じたまま- 安藤祐暁
第10号(1980年12月)
天気変化 山本正典
交通指導の実態と方法 安全指導部
英語科の取り組み-1年の学力の実態とその対策を中心として- 英語科
新入生オリエンテーション合宿-中間報告- 1年担任会
インターアクトクラブ-10年の歩み- 久米昭次郎・鈴木和美
⑨ PTAと同窓会
本校PTAの活動は多岐にわたっている。昭和41年8月に始まったPTA地区別総会に源を発した保護者勉強会は、50年度から始まった。子供のしつけの教育について保護者の反省を促し、また父母が自信をもって家庭教育にあたるよう励ますことを目的としている。地区別に行っているが、他地区からの出席や両親揃っての出席もあり、年々盛大となっている。
また、年々活発になる運動部の各種大会には、部員の父母や部の先輩だけでなく、PTA関係者の熱烈な応援があり、活躍の大きな支えとなっている。県内ばかりか東海大会や全国大会にも、今年の高校総合体育大会には、遠く鹿児島まで応援にかけつけて下さる方もあった。
さらには、公私の格差を是正するための私学助成運動には、私学振興推進大会への参加や署名運動などに積極的なとりくみをみせている。
PTAの活動は生徒の卒業後にまで及び、昭和53年7月には、城西教育の応援と親睦を目的としてOB会、矧友会が発足し、クラブ応援などの活動が行われている。
あるPTA会長は、「城西高校という学校は不思議な学校だ。1年目は、城西か、だったが、2年目には、城西高校が、となり、3年目ともなると、城西高校でなけりゃ、となってしまった。将来ずっと私は、城西高校でなけりゃ、と言いつづけるだろう」とことあるごとに話しておられる。
卒業回数は、18回を数え、卒業生数も7,000名を越し、全国各地で活躍するようになった。
同窓会の活動も年々活発となり、全国大会へバスを仕たてて応接に出かけたり、記念行事への参加や援助も行っている。同窓会名簿の発行も、過去3回行われ、現在、4回目の発行が準備されている。総会は、文化祭に合わせて行われ、多数の卒業生が訪れ、旧交を温めると共に母校の発展を楽しんでいる。
母校を訪れる卒業生は毎日ある。職員室に入ると、先生が声をかける。長時間話しこむ者もいる。運動部で後輩の指導をしにやってくる者も多い。長期の休暇などは、幾組も卒業生が訪れ、小同窓会か小総会