第5節 研究所と図書館

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(1)地域社会デザイン総合研究所

平成24年(2012)4月、経営学部並びにコミュニティ政策学部の再編に伴い、地域社会デザイン総合研究所が発足した。本研究所では両学部に付置されていた経営研究所並びにコミュニティ政策研究所の事業内容の多くを引き継ぐとともに、地域社会への貢献をより明確に打ち出した活動を展開した。

本研究所において特に活発に展開された活動はシンポジウム並びにフォーラム等の開催である。

平成25年(2013)2月、豊田産業文化センター小ホールにおいて、地域社会デザイン総合研究所の発足記念のシンポジウムであり、同時に安城学園100周年記念事業でもある「豊田市が直面する課題と今後の展望—豊田学の構想に向けて」を開催している。太田稔彦豊田市長の基調講演、大学教員3人を代表質問者とする質疑応答を内容とするものであった。次いで平成27年(2015)10月、「これからの地域スポーツを考える」と題したシンポジウムを豊田学舎8号館の大講義室にて開催。福島兼光豊田市教育長の基調講演に続き、橋本聖子参議院議員の特別講演、そしてパネルディスカッション(パネリストは上記2人に、古本伸一郎衆議院議員、八木哲也衆議院議員、若林努学長、鈴木政二客員教授の計6人)が行われた。

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フォーラムとしては太田稔彦豊田市長講演会を平成28年(2016)11月に、小野田賢治みよし市長講演会を平成30年(2018)1月、ともに当該市のもつ魅力や重視している施策等について、大学の講義の1コマを使用して行っている。

なお、そのほかに、平成24年(2012)7月には、コミュニティ政策研究所時代に開催が決定していた第11回コミュニティ政策学会が開催されている。同学会の第1回大会と同じ豊田学舎での開催であり、2日間で延べ245人の参加を得た。

研究所の研究員を中心とした活動の中核事業である『現代マネジメント学部紀要』『地域社会デザイン総合研究所紀要』の発行においては、毎回編集にとまどうほどの多くの論文の掲載希望があり、またそれらとの関連が深い研究プロジェクト、新任教員による研究報告会も活発に展開されている。更に学生を対象とし、大学祭の時期にあわせた学生研究発表会なども実施された。

地域講座に関しては、「とよたNPO大学」がとよた市民活動センターと協働で開催され、地域住民を対象とした語学講座も繰り広げられた。

以上、わずか6年間とは思えないほど多くの活動を展開した本研究所は、平成30年度(2018)から「愛知学泉大学潜在能力開発研究所」へとその成果を引き継ぐことになる。

(2)潜在能力開発研究所

平成30年(2018)4月から、それまで岡崎学舎にあった「ライフスタイルデザイン研究所」と豊田学舎にあった「地域社会デザイン総合研究所」が廃止され、新たに「愛知学泉大学潜在能力開発研究所」が発足した。本研究所の目的は、本法人及び大学の目的を実現するために、本法人の教育方針に基づいて3つの潜在能力開発事業(寄附行為第6条)を推進する上で必要な教育に関する研究活動を通して、地域及び国際社会に貢献することである。また、この目的を達成するための事業として、学生等の潜在能力開発事業・社会人の潜在能力開発事業・地域の潜在能力開発事業と、これらの教育に関する研究活動の成果をベースにした研修会・講演会・研究会の開催及び紀要、その他、研究所の目的を達成するために必要な事業を行うことと、規程に定められている。

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「潜在能力開発研究所」は発足から5年目を迎えており、これまで行ってきた主な事業の成果と現状について報告する。「愛知学泉大学紀要」は、家政学部・現代マネジメント学部・短期大学・研究所の4編構成とし、毎年1号と2号を発刊している。累計で136報の研究論文が投稿された。「研究プロジェクト支援事業」では、採択のない年度もあったが、令和3年度(2021)は4件が採択され、研究所の目的に沿った研究プロジェクトが実施されている。また、研究プロジェクト及び教育研究の報告を行う「研究発表会」を令和2年度(2020)よりオンラインで開催し、教員や学生が参加している。この研究発表会では、学部・学科を超えた横断的な情報を提供している。新たな事業として、令和3年度(2021)に「講演会」を実施した。大学外部の講師が「食品ロス対策とSDGs」のテーマで講演を行い、教員・学生合わせて124人が聴講した。日本の食品ロス問題を深く認識し、今後について考える良い機会となった。

今後もこれらの事業を推進し、本研究所の目的達成と大学・地域への貢献を目指し活動していく。

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(3)図書館の活動

本学図書館は、岡崎学舎と豊田学舎に岡崎図書館・豊田図書館として設置されてきたが、豊田図書館については、令和4年(2022)3月31日、豊田学舎とともにその業務を終了した。

両館が新型コロナウイルスによる影響を受ける以前で、豊田学舎も4学年存在した平成30年度を基準とすると、岡崎図書館の蔵書数は、13万9,400冊、年間利用者数は、4万3,092人。豊田図書館の蔵書数は、17万6,852冊、年間利用者数は2万3,411人であった。

この10年間の両館共通の活動としては、「ラーニング・コモンズ」が特色付けられる。これまでの読書・調査・研究の場に、学生が互いに議論しながら学ぶアクティブ・ラーニングの場としての役割が加わった。更に図書館利用活性化策として、平成29年度(2017)に豊田図書館から始まった読書手帳は、岡崎図書館にも読書カードとして引き継がれ、活性化に寄与している。

豊田図書館は、地域に開かれた活動をその特色としてきた。豊田市中央図書館と本館は、平成18年度(2006)に資料相互利用協定を結び、令和3年度(2021)まで続いてきた。また、平成15年度(2003)以来、地域との架け橋となってきた語学講座については、最盛期には、英会話・中国語・フランス語・韓国語講座を開設していたが、令和2年度(2020)の中国語講座をもって終了した。学生の読書推進については、平成30年度(2018)にビブリオバトル簡略版の「読書発表会」を実施した。令和元年(2019)10月から、「豊田学舎回顧展」を豊田図書館で学舎閉鎖まで実施した。豊田図書館蔵書については、名古屋商工会議所旧蔵書の一部を東海学園大学図書館へ、それ以外については、本学岡崎図書館を始め系列校で引き受けたが、多くの蔵書の廃棄を受け入れざるを得なかった。

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岡崎図書館は、平成30年度(2018)まで、紀要業務を兼務していたが、その業務は研究所に移管した。図書館利用促進のため、平成22年度(2010)、開館時間を9時から18時まで1時間延長したが、更に要望に応え、平成31年度(2019)、開館時刻を8時40分に早めた。令和元年度(2019)、図書館キャラクターを募集し、川井湖姫さんの「がくペンちゃん」が選ばれた。それをデザインしたポスターや読書カード達成グッズのクリアファイル・消しゴムが作成され、学生に親しまれている。図書館ゼミナールの展示に加え、平成29年度(2017)からは教職員の推薦図書の展示、幼児教育学科やライフスタイル学科の展示も行い、学習意欲に刺激を与えている。令和元年度(2019)、本学図書館は、私立短期大学東海北陸地区図書館協議会総大会を主催し、その責を果たした。

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