第3節 産学連携と地域貢献活動

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(1)食物栄養学科

食物栄養学科の産学連携事業は平成20年(2018)に、安城市に本社を置くいずみ製菓株式会社と「半生麺のヘルシーメニューの開発」から開始された。その後、この10年間に株式会社豊田ホテルキャッスル・麩屋万商店などの企業や地域と、産学連携に関する協定書を締結し、様々な活動を行っている。

一般社団法人岡崎パブリックサービスや藤川まちづくり協議会との連携事業では、岡崎市藤川地区の特産品である「むらさき麦」に着目して事業を展開してきた。むらさき麦の成分分析やむらさき麦を使用したレシピの開発、また、毎年5月に開催される「むらさき麦祭り」では、その企画の一つとして「むらさき麦お菓子グランプリ」を本学の学生が企画・運営しており、平成27年(2015)から現在まで継続して実施している(令和2・3年度コロナウイルスのため中止)。また、岡崎市東部地域交流センター(むらさき館)では、食育教室や料理教室を平成27年(2015)から現在まで実施している(料理教室は令和2・3年度コロナウイルスのため中止)。この内、食育教室は、栄養教育実習の一環として、「食」の大切さを近隣の小学生や保育園児らに伝えることを目的として、自分たちが考案した紙芝居や食に関するゲーム、クイズを実施し好評を得ている。

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また、岡崎市市制100周年となった平成28年(2016)は、市制100周年記念事業にも参加した。すなわち、5月には「三河伝統料理・伝承料理」を道の駅藤川宿で展示し、7月には岡崎中央総合公園で実施された「食育メッセ」に参加、11月には「地産地消料理フェア」を道の駅藤川宿で実施した。これらの活動の他に、社団法人岡崎青年会議所・豊田森林組合・愛知県水産試験場・法性寺ねぎ研究会など多くの団体と連携して事業を実施した。

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本学科では、これら活動の成果を、学内の「社会人基礎力育成グランプリ(現:学びの泉グランプリ)」および学外の発表の場で報告している。その結果、学内グランプリではこの10年間で複数回のグランプリを受賞し、学外では「社会人基礎力育成グランプリ2016(2015年度大会)」および「社会人基礎力育成グランプリ2021年度大会」の中部地区予選でそれぞれ最優秀賞を受賞して、全国大会に出場した。

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(2)幼児教育学科

幼児教育学科においては、様々な地域貢献活動に取り組んできた。この10年間、更にその歴史を継承し、内容も充実させてきた。毎年取り組んできた活動は次のとおりである。

●岡崎げんき館活動

平成20年度(2008)からスタートし、「子ども育成ゾーン」における各種講座や親子を対象とした遊びプログラムの実施に、幼児教育学科が主導的な役割を果たしてきた。2年生の幼児学ゼミナールの授業において、前・後期1回ずつ地域の親子と遊びを通して交流する「学泉短大のお兄さんお姉さんとあそぼう」は毎回子どもたちの楽しみの機会となっている。

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●こどもまつり

昭和54年度(1979)から始まった地域親子を対象とした幼児教育学科全員で取り組む行事である。1・2年生の縦割りクラスで企画・運営・実施のすべてを、学生が主体となって取り組んでいる。毎年多くの親子に参加していただき、幼児教育学科の代表的なイベントとして地域にも受け入れられている。

●保育者のための幼児教育保育講座

愛知県内の保育施設に従事する現任保育者を対象とした研修会を昭和51年(1976)より実施している。毎年保育現場で求められる研修テーマを設定し、専門講師に講演を依頼している。毎年100名以上の参加があり、地域の保育力を高める機会となっている。

●まるカード・絵本贈呈

平成元年(1989)から、1年の造形の授業で制作した絵本やまるカードを編集、出版し、実習園や附属幼稚園、その他さまざまな機関に寄贈している。令和2年(2020)からは絵本を出版し、毎年、地元地域の園からは楽しみにしていただいている。

令和元年(2019)から、1年次授業「保育内容(言葉)」において、地域及び附属幼稚園親子を招待し、人形劇団むすび座の観劇会を実施している。(令和3年(2021)はコロナ禍のため招待なし)。また、地域親子を対象とした「みんないっしょのクリスマス会」を実施している。これは食物アレルギーに対応したケーキを食物栄養学科の学生がつくり、幼児教育学科の学生が手遊びや音楽演奏を行って、参加者に楽しんでいただく内容である。令和3年(2021)には、2年次授業「食と栄養」において食物アレルギーについて学び、園児向けの紙芝居として制作し、クリスマス会で上演している。更に、岡崎市内の幼稚園に紙芝居のDVDを提供している。令和3年度のクリスマス会及び上演活動は、岡崎市との連携協力のための包括協定書に基づいた活動として、1年次授業「保育内容(環境)」において、岡崎市の環境政策課と提携し、岡崎市の環境について学び、生き物についての保育教材などを地域の園に提供した。

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また、2年次開講の「幼児学ゼミナール」の授業において、各ゼミで特色ある地域貢献活動を実施してきた。以下に平成24年(2012)~令和3年(2021)までの地域貢献活動を列挙する。岡崎市矢作地区で親子を対象としたイベント「花のとう」(川口ゼミ・谷村ゼミ)。平成27年(2015)~令和元年(2019)、安城市西部児童センター主催「西部地域まつり」イベント運営参加(岡田ゼミ・神谷ゼミ)。平成27年度(2015)~平成29年(2017)、岡崎市やはぎかん「子どもの街」(神谷ゼミ)。平成27年度(2015)~令和3年(2021)、スペシャルオリンピックス日本・愛知「ヤングアスリートプログラム」の企画運営(谷村ゼミ)。平成29年(2017)~令和3年度(2021)、岡崎市放課後等デイサービス「HOPE」活動(谷村ゼミ)。更に地域の乳幼児親子を招き、ゼミの学生たちと交流するマザリーズひろばの実施(児玉ゼミ)、地域の障がいのある親子と遊びやゲームを通して交流するヤングアスリートプログラム活動(谷村ゼミ)、岡崎市主催幼児向け環境学習や、地域親子向けイベント「秋の自然を楽しむ」へのボランティア参加(太田ゼミ)など。

(3)生活デザイン総合学科

生活デザイン総合学科では、市民を対象としたカリキュラム「オープンフィールド」を毎年開講し、地域に学習の場を提供している。平成24年(2012)は華道入門、茶道入門、介護・福祉セミナー、コミュニケーション・スキルセミナーを開催、茶華道の2講座は毎年継続している。平成25・26年(2013・14)には親子パソコン教室、平成27年(2015)には染色作品の制作、アクセサリーの制作、リーディングズ・セミナー、平成28・令和元年(2016・19)には和綴じ本を作ろう、平成29年(2017)はまゆで作る干支、バンダナを染めよう、21世紀に伝えるアボリジニーの知恵、平成30年(2018)はステンシル染め、腰痛ストレッチ体操、基礎から学ぶ料理の講座を開講した。

産学連携事業では日本中央交通株式会社との協定締結により、全国販売するアクセサリーの商品開発を行なっている。また高齢者施設デイサービスあおぞら、株式会社縁サポートサービスとも協定を締結し、認知症カフェを定期的に開催して地域に貢献している。藤川まちづくり協議会との協定締結では、食物栄養学科の学生とともに道の駅藤川宿で開催されるイベントに参加協力している。令和3年(2021)には有限会社壱武工業所との連携事業で「廃プラスチック油化プロジェクト」により電気を作り利用するSDGsの活動も開始された。その他、単発的に平成29年(2017)に大洋荷役株式会社と協定を締結し、ユニフォームを制作した。また、平成30年(2018)にアピタ岡崎北店(ユニー株式会社)と協定を締結し「まゆ姫人形とデコミラー」を出店した。

地域貢献活動として平成26年(2014)から継続して名古屋土曜学習プログラムに参画して小学生にレクリエーションを提供している。平成29年(2017)から岡崎市南公園のイベントに学生たちが参加協力し、岡崎市図書館交流プラザ・りぶらで開催される市民カレッジやビブリオバトルなどのイベントにも協力している。また、おかざきカントリーフェスタにも毎年アクセサリーショップを出店し地域交流活動を行なっている。令和元年(2019)までは学生会と共同し、矢作「花のとう」、「たつみが丘ふるさと夏祭り」の様々な出店ブースでは、岡崎城西高等学校との高大連携活動としても展開した。また、「やはぎ飛鳥まつりⅰn北野廃寺」のプロジェクトに参画し、飛鳥時代の衣装を再現制作して祭の場で披露するとともに、酒人神社記念缶バッチを作成配布するなどまつりを盛り上げた。その他に、岡崎げんき館で開かれる「子どもと親のための公開講座」にも毎年2講座を設け、岡崎市が主催する内藤ルネに関するイベントにも参加協力し、ルネの魅力を発信することにも協力している。岡崎大学懇話会の活動の一環である学生フォーラムにも毎年、多くの発表・展示を行なっている。

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令和元年(2019)に高大教育連携協定を締結した愛知県立岩津高等学校とは、この年の12月に和風ロールケーキの講座で生活デザイン総合学科の学生が講師として高校生と交流したのを皮切りに、令和2・3年(2020・21)に実施された「なるには講座」ではファッション制作とレクリエーションの指導を生活デザイン総合学科の学生たちが行った。

また平成29年(2017)に始まった「学泉木曜サロン」は地域の方々40人以上が定期的にキャンパスに集い、各ゼミの学生たちとの様々なレクリエーション活動を通じて交流し、地域の活性化に貢献している。しかしながら、令和2・3年(2020・21)は新型コロナウィルス感染拡大の影響で学泉木曜サロンは中止、その他の多くの活動も中止や制限の中での活動となった。

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