(1)創立100周年事業
平成24年(2012)は安城学園創立100周年にあたり、岡崎キャンパスでも多くの記念事業が企画された。以下、家政学部・短期大学が関係した事業について経時的に紹介していく。
8月8日に第11回家庭科教員セミナーが開催された。同セミナーは創立90年を契機に家政学専攻が中心となって開始された企画であり、その後も毎年夏に継続されていた。100周年記念となる第11回は「家庭科の魅力と威力」と題して拡大開催された。午前のシンポジウムと午後の3部会に分かれての講座には例年の3倍となる156人の参加があった。
10月20日の学泉祭第1日目には体育館で「ホームカミングデイ」が開催された。家政学部の教員・助手33人、短期大学の教員・助手・研究補助員36人、事務職員18人が退職教職員27人、家政学部同窓生67人、短期大学同窓生76人を迎え、それぞれに旧交を温めた。
また、同窓会が中心となり11月17日から23日に安城市文化センターで「安城学園創立100周年の歩みと寺部だい生誕130周年展」が開催されている。学園の創立者である寺部だい先生が「どのように生き、どのように教育に携わってきたのか」を紹介するこの資料展は、9月に安城学園高等学校・岡崎城西高等学校の両学園祭、10月の学泉祭で先行開催、翌2月に岡崎市シビックホールで行われた短大生活デザイン総合学科のファッションショーのロビーでも開催された。
同2月27日には岡崎市竜美丘会館で「大学・短大 社会人基礎力発表会」を開催。前年度に家政学部で実施されたものを100周年記念事業として岡崎キャンパス全体で取り組んだこの発表会は、翌年以降も継続開催されるその契機となった。
そのほか、創立100周年を周知するためのポスターが制作された。7色の毛糸玉を学園の7つの設置校に見立て、その周りに100人の園児・生徒・学生を配したポスターは鉄道の駅など学外各所にも掲出された。
(2)学部改組 1学科3専攻から3学科へ
令和2年(2020)4月、家政学部家政学科1学科3専攻(家政学専攻・管理栄養士専攻・こどもの生活専攻)から3学科(ライフスタイル学科・管理栄養学科・こどもの生活学科)へ改組した。
家政学科の教育方針は、生活者の視点から「生活科学」「食物・栄養学」「被服学」「住居学」「児童学」の分野を科学的に教育研究することより、生活環境の向上を目指し、生活をデザインし、広く社会全体の人間生活の進歩・発展に貢献できる教育を展開することである。
改組の背景には、学生が教育課程修了後に貢献する地域・国際社会のグローバル化と情報化による「知識基盤社会」の進展があった。これを踏まえ家政学科3専攻の教育課程を再考し、社会の需要に的確に対応できる社会人を教育する改組である。
ライフスタイル学科は人々の豊かなライフスタイルを実現するために、教育目標のもと、デザイン・フード・ビジネスなどの分野から新しい暮らしの提案者を育成する教育課程が基盤である。更に学びの3分野に「空間・情報デザイン」「食開発・マネジメント」「ビジネス・地域活性」を配置している。
管理栄養学科は教育目標のもと、「疾病治療・重症化予防」「食育・食環境」領域の管理栄養士を育成する教育課程が基盤である。臨地実習で修得した専門知識・技能を活用する。更に「アップグレード分野」に「健康運動、食品開発、健康栄養情報」に関連する資格取得科目を配置している。
こどもの生活学科は教育目標のもと、時代が求める教育者・保育者の資質能力の向上をめざす教育課程が基盤である。特色として専門性を極める「ライフ開拓領域」に「学泉アカデミー」でボイストレーニング等、「キッズイングリッシュ」で英語の教え方、「ICT実践実習」を配置している。
学部改組は「知識基盤社会」に適応する社会人を育成する教育の実践を目的としたものである。
(3)家政学専攻/ライフスタイル学科の動向
家政学専攻では平成25年度(2013)、カリキュラムを大幅に改編、科目の見直しを行うとともに、専門科目を「家政学/生活の基礎を学ぶ科目群」「生活提案の技法を学ぶ科目群」「生活実践の提案科目群」の3群に整理した。これによって専攻のディプロマポリシーである「生活者の視点から、これからの時代のライフスタイルを提案できる人材」の育成をカリキュラム内で可視化することを可能とした。「生活実践の提案科目群」には、新たに「キャリア形成」関連科目と「生活スタジオ」関連科目を新設、それらを3年次までの各セメスターに配置することで、4年次に開講する「卒業研究」と併せて、入学時から卒業年次に至るまでの学修の軸をつくった。
1年次前期~2年次前期に開講される「キャリア形成Ⅰ~Ⅲ」では、平成29年度(2017)の愛知学泉大学学内GP(Good Practice)にも採択された「家政学専攻版『暮しの手帖』を作る−感性と書く力の育成−」に取り組んだ。これは雑誌「暮しの手帖」をモデルとして学生たちが自分と周りの人々の生活を取材・記事にするプログラムで、平成30年度(2018)には、そこでの成果物を学生自らが編集した冊子「生活練習帳2018」を発行している。
3年次前・後期に開講される「生活スタジオⅠ・Ⅱ」は、地域の人たちから投げかけられた、あるいは学生たち自身で見出した課題の解決に向けて1年間かけて取り組み、解決に導くPBL型の科目である。新カリキュラム発足時の平成25年度生が3年生となった平成27年度(2015)以降、令和3年度(2021)までの7年間で25のプロジェクトが行われている。
また家政学専攻の教育の柱のひとつである家庭科教員の養成については、教員採用試験対策の方法を見直し、拡充させることにより平成30年度(2018)には3名が現役合格を果たした。以降、年度により増減は見られるものの令和3年度までの5年間で8名の合格者を輩出している。
平成25年度(2013)のカリキュラム改編によって、一時は定員を回復、平成26年度(2014)に募集目標の52人に達したものの、その後、入学者は減少に転じ、平成29年度には定員の6割を下回る22人を数えるのみとなった。専攻の教育は着実に成果を上げているものの学生募集につながらない状況が続いた。
令和2年度(2020)、家政学部が1学科3専攻から3学科へと改組転換したことを機に、家政学専攻はライフスタイル学科に改称し再出発を図った。学科の専門科目を「デザイン(空間・情報)の分野」「食品開発・マネジメントの分野」「ビジネス・地域活性」の3分野で編成することにより、学科内での学修内容を明確にし、家政学専攻の積年の課題であった卒業後の進路のイメージのつかみにくさを払拭することを目指した。ただし、家政学専攻でカリキュラムの基軸であった「キャリア形成」と「生活スタジオ」は、それぞれ「ライフスタイル学演習」「スタジオ」へと名称変更しつつもその位置づけは継承した。
専攻から学科への改組転換によって募集状況は好転し、令和2・3年度(2021・22)は定員を充足するまでに回復している。
(4)管理栄養士専攻/管理栄養学科の動向
管理栄養士専攻は、平成14年度(2002)に設置されて以降、専任教員16名、助手5名の体制で運営されてきた。平成25年度(2013)には、生活習慣病の増加や医療の高度化、食を取り巻く社会環境の変化を鑑み、疾病への栄養管理を中心とした医学的な知識・技術を身につけ、「食と健康」のスペシャリストとして人々の健康をサポートする管理栄養士を養成することをディプロマポリシーに掲げ、カリキュラムが再編成された。この再編成に伴い、「チーム医療」「健康増進・疾病予防」「食品開発」の幅広い分野で活躍する人材の育成を目的としたキャリア教育関連科目が新設された。
管理栄養士専攻では、社会人基礎力の育成を目指し、産官学連携活動に精力的に取り組んできた。安城市産業環境部農務課・JAあいち中央との継続的な連携活動に加え、岡崎市経済振興部農務課、同保健部健康増進課など新たな連携先との取り組みが行われてきた。これまでに学修した専門的知識・技能を活用し、地域の方々との関わりを通して活きた学びや社会貢献ができる貴重な機会となっている。
平成19年度(2007)に組織された国家試験対策委員会では、国家試験合格までの支援を継続的に行ってきた。平成25年度(2013)からは、管理栄養士特論Ⅰ~Ⅸを設置し、3年後期から4年後期まで対策を強化している。その間、模擬試験問題200問の設問と解説・解答を自己学修してまとめる「解題ノート」課題に取り組むことにより、間違えた箇所の理解や出題傾向の把握に繋がっている。更には、模擬試験の成績が低迷している学生を対象に、夏期スーパー特訓講座、11月からは特訓・特別特訓クラスを設け、学修環境の整備、対策の強化を図っている。このような取り組みの結果、合格率は平成24年度(2012)、26年度(2014)に100パーセント、その他の年度でも高水準を維持している。
更に、令和2年度(2020)には、家政学部の改組により、家政学部管理栄養学科が設置された。ディプロマポリシーは、「食」の専門家として疾病治療・重症化予防、疾病予防、食育食環境を整えるための高度な知識と技能を持ち、人々の日常生活を健康の面から支援することのできる人材を育成することである。従来のキャリア教育関連科目を専門実践実習に改変し、「疾病治療・重症化予防」「疾病予防」「食育食環境」の3つの専門領域から目指す進路・職域への理解を深め、実践力を高める授業を展開することとした。
また、医療の高度化・複雑化への対応、超少子高齢化社会に対応し、より専門性の高い人材育成と資質の向上を目指し、アップグレード分野を新設した。それに伴い、新たに3つの資格を取得できるようになった。積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有することを認定する健康運動実践指導者、消費者のニーズを敏感にキャッチし、満足感を与える商品を企画・開発し、販売を行う際に必要となる基礎的知識を修得したと認定する商品プランナー、消費者に対して、保健機能食品やサプリメントについて、専門的観点から個々の栄養状態を評価し、適切なアドバイスができる人材として認定するNR・サプリメントアドバイザーと、いずれも管理栄養士として多岐にわたる職域における活躍が期待される。
(5)こどもの生活専攻/こどもの生活学科の動向
こどもの生活専攻は、平成20年(2008)4月に開設して以降、多くの入学生を迎え入れてきた。学生たちは、本学独自の学びによって専門能力や人間性を磨き、小学校教諭や保育士など多岐な世界に羽ばたいて行った。その記録として、平成25年度(2013)以降の経緯について、重要な事項を抽出記載する。
平成25年度、全国保育士養成協議会中部ブロック第18回セミナー(第2分科会)において「岡崎げんき館における保育実践と個別面談を通した学生サポートの相互作用」と題して発表を行った。平成26年度(2014)は、こどもの生活専攻の教員で企画した教科書「子どもと向き合うために」を出版。専攻の保育士・幼稚園教諭・小学校教諭を目指すための多角的な指針を与えるべく、初年次教育の教材として使用されることになった。平成27年度(2015)、近隣の保育園に学生が出向いて行う「見学実習」を実施。多くの教員によって下準備がされ、学生が保育現場を観察することで、保育士の視点や行動などを体験的に学ぶことができた。このプログラムは、後に「エクスターン(幼保)」がカリキュラム化されるまで、単位認定として継続されることとなる。同じく小学校教諭希望者にも、近隣の小学校の連携を受け「教育ボランティア」を実施。こうした実践的な経験を積むことは、その後の学生の進路決定に大きく影響を与えることとなる。
平成28年度(2016)からはオープンキャンパスで、ミニ授業とともに「交流サロン」と銘打った、大学生と高校生との語らいの場を設け、生の声を高校生に届けるイベントを始めた。これは非常に好評であったため、現在も継続している。またこの年から、教員採用試験対策講座を本格的に始動し、採用試験合格者を確実に輩出するシステムが構築された。平成29年度(2017)は、近隣の岡崎市立北野小学校3年生の児童が本学を訪れ、「高いところから見てみよう」という社会科の体験授業に協力し、小学校教諭を目指す学生8人によって誘導補助が行われた。また、小学校に勤める卒業生が登壇して現場の事情を語る「教職シンポジウム」を毎年継続的に開催し、その記録誌として「創造する教育」という出版物を刊行している。平成30年度(2018)には、保育士を希望する学生向けに「保育職シンポジウム」も立ち上げた。またこの年は、愛知県保育士養成協議会の幹事校を担当し「施設実習」に関する調整を担った。特にトラブルもなく業務を完遂できたのは、当時の助手の献身的な尽力に他ならない。更に近隣の岡崎市立矢作北小学校の児童が「じぶんのまち探検」という生活科の授業で来学し、学生が学内案内をして大いに感謝された。
年号が変わった令和元年度(2019)からは、採用試験対策講座を更にレベルアップした講座を開催。これは翌年のカリキュラム改正で新設される「教職保育特論」へと繋がる礎となる。そして翌令和2年度(2020)から新カリキュラムがスタートし、専攻から学科へと編成変更された。折しも「新型コロナウイルス」が蔓延し、4月当初から「リモート授業」という異例の展開になった。学生も教員も慣れない環境下で手探りながらも、オンラインでの授業を遂行することができた。演習系の授業は一部対面授業にする措置によって、学生から満足の得られる教育の質を維持できた。令和3年度(2021)は、幼保の「夏季ボランティア」が始まり、多くの学生が主体的に参加した。またこの年のオープンキャンパスから「キャンパスピアノ(路上演奏)」および、SNSを利用した学科の詳細な情報発信を始め、非常に好評を博した。幼保教育系の冬の時代と言われ、一時期定員を大きく下回る入学者数であったが、こうした努力によって徐々に回復傾向にある。
(6)「学びの泉」育成プログラム
学園が目指す「智・徳・体・感・行」に基づいた自学・共学システム「学びの泉」構築の第一段階として、家政学部でもpisa型学力(智性)・建学の精神(徳性)・社会人基礎力(行動)を育成するプログラムの構築が進められている。当初は平成20年度(2008)より取り組みが始まった社会人基礎力の育成がその中心となっていたが、令和2年度(2020)には社会人基礎力推進委員会を「学びの泉」開発委員会に改称、pisa型学力、建学の精神の育成についても積極的に検討されることになった。以下、取り組み状況ついて経時的に紹介していく。
平成22年度(2010)から開始された社会人基礎力外部評価者面談はその後も継続されている。ただし、新型コロナウイルスの影響により令和2年度は中間面談・事後面談ともに中止となり、令和3年度(2021)には事後面談がリモートでの実施となっている。
平成23年度(2011)に初版が発行された「無限の可能性への道 社会人基礎力を育む学泉ノート」はほぼ毎年更新を続け、令和3年度の第10版では学修の場面のみならず、就職活動における行動の指針となる内容が加えられている。
平成28年度(2016)には基礎科目に「未来へつなぐアウトリーチ」関連科目を新設、過疎化が進む豊田市旭地区へのボランティア活動を通して、全学生が初年次よりpisa型学力・建学の精神・社会人基礎力を意識し、実践する場を設定した。ただし、令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響により、現地へ出向いてのボランティア活動ができない困難な状況が続いている。
平成29年度(2017)からは社会人基礎力を卒業要件に組み込み、全ての科目において社会人基礎力(学修態度)を成績評価の10パーセントに加味することとなった。専攻ごとに各セメスターでコア科目を設け、そこでは12の能力要素全てを、そのほかの科目では、主体性・実行力・課題発見力・創造力・発信力・傾聴力・規律性の7つの能力要素を評価対象とした。評価の平準化のために、「学修行動特性評価シート(予習-本時の授業-復習の内容と振り返りをまとめたシート)」が導入された。その具体的な活用については平成30年(2018)9月のFD研修会で議論が行われている。令和2年度(2020)からは卒業時に配布するディプロマサプリメント(学位記に関する補足資料)で、授業内での社会人基礎力の伸長を学生たちへフィードバックしている。
1学科3専攻から3学科へと改組した令和2年度(2020)には、新カリキュラムに「潜在能力の開発」を設定した。1年前期に開講するこの科目は、家政学部の教育目標と3学科共通のディプロマポリシーである建学の精神・社会人基礎力・pisa型学力を修得し、職場と地域社会の人々と協働して課題を解決していくことができる人材へと成長するための導入に位置づけられている。更に、自己の潜在能力を可能性の限界まで開発するための3つの挑戦(苦手への挑戦・上達への挑戦・未知への挑戦)について理解することと、「寺部だい自伝 おもいでぐさ」をモデルとして各自が「私のおもいでぐさ」を作成することを通して豊かな人間性を育み、大学生活を充実させる自己ビジョンを構築することを目指している。
そのほか、令和3年度(2021)からは1年次と3年次でのPROGテスト(ジェネリックスキルテスト)の受験が導入され、社会人基礎力の育成状況を学外の基準からも測定する取り組みが始まっている。
(7)産学連携と地域貢献活動
創立100周年以降も、家政学部の学生たちは地域とつがなる活動を積極的に展開している。
家政学専攻のPBL型の科目「生活スタジオ」では、地域にベネフィットをもたらすことを目標とし、自治体・企業・まちの人々とさまざまな形で連携するプロジェクトを進めていった。プロジェクトの主な例として、岡崎市制100周年記念事業「新世紀岡崎チャレンジ100」にも採択された、地元産和紅茶の魅力を伝える「Tea+1パーティ」(平成27・28年度)(2015・16)、化け猫のキャラクターを使ってまちの活性化を目指す東岡崎商店街まちづくりの会からの依頼を受け、ゆるキャラの着ぐるみを制作、それを使ってのイベントの運営をおこなった「化猫物語」(平成28年度)(2016)、岡崎市立常磐東小学校の全校児童のために和服の布地を再利用した衣装を作り、ファッションショーを開催した「和×輪×笑 未来につなぐファッションショー」(平成29年度)(2017)、豊田市の和菓子店と連携し、ラグビーワールドカップ2019日本大会に向けて新商品の開発に取り組んだ「餡プロジェクト」(平成30年度)(2018)などがある。そのほか、刈谷市美術館から依頼を受けて「藤井千秋展」と「婦人之友社『子供之友』原画展」の原画に描かれたファッションを再現制作(平成26・27年度)(2014・15)、岡崎市の商店街連合からの依頼で街灯フラッグのデザインを隔月で提案する(令和3年度~)(2021)など正課内外で活動を続けている。
管理栄養士専攻では、産学連携活動に平成19年度(2007)から継続的に取り組んでいる。主な活動として、安城市農務課・JAあいち中央との連携による地産地消・レシピ提案をテーマとした「ローゼルの栽培とメニュー開発」(平成24年度)(2012)、「チンゲン菜 ミラクルGreen」(平成24年度)(2012)、「米粉ジェラート」(平成25年度)(2013)、「安城産きゅうりの消費拡大」(平成26年度)(2014)、「安城産特産品の有効利用」(平成27年度)(2015)、「梨のレシピ開発」(平成29年度)(2017)などが挙げられる。平成30年度(2018)からは、新規の連携活動として、岡崎市・JAあいち三河との「岡崎市のジビエを使ったレシピの開発と提供」、株式会社サンクレールとの「新作パンの企画提案、共同開発」に取り組んだ。更に平成30年度(2018)より、キャリア教育の一環である臨床・福祉・地域・食品の4分野の中で産官学連携活動を導入し、これまでに学修した専門的知識・技能を活用した実践活動の場としている。岡崎市農務課、岡崎市ぬかた商工会との「額田地区特産品を使ったかき氷シロップの開発」(平成30・令和元・2年度)(2018・19・20)、安城市農務課、安城商工会議所との「こどもを対象としたチンゲン菜をおいしく食べるレシピの考案」(平成30年度)(2018)、安城市・株式会社勤労食との「安城市役所食堂におけるヘルシーメニューの提案」(令和元年度~)(2019)、岡崎市農務課との「岡崎おうはんを使ったレシピの提案」(令和2年度~)(2020)、岡崎市健康増進課との「食育重点事項食文化継承 煮味噌のメニュー開発と普及活動」(令和3年度~)(2021)など、幅広く展開している。
こどもの生活専攻では、岡崎市の公共施設「岡崎げんき館」の「学泉のおにいさん・おねえさんと遊ぼう」というイベントにおいて、夏季と冬季の年2回、学生が幼児との関わりを体験的に学んでいる。これは今後も継続していくイベントである。また平成27年度(2015)からは、大学・短期大学の附属幼稚園(3園)の協力を得て「見学体験」を実施している。初年次教育として、現場の様子を見学することで、大学での学びを具体的な職業意識として喚起するためのものである。これは形式を少しずつ変えながら、今後も継続していく。同様に小学校教諭を希望する学生のためには、近隣の小学校との連携で「教育ボランティア」を継続実施している。それ以外では、24時間テレビ(日本テレビ系列)の関連として障害児と遊ぶボランティアや、人形劇団「むすび座」が来学して行った観劇なども実施した。そして令和3年(2021)からは、近隣の保育所などでのボランティア「夏季保育ボランティア」もスタートし、将来を見据えた経験的活動を多面的に取り入れている。