第4節 各研究所と図書館

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ライフスタイル研究所
岡崎学舎に従来からあった生活文化研究所は、平成14年度(2002)の家政学部改組と学校法人安城学園創立90周年を機に名称を「ライフスタイル研究所」とあらためた。生活文化研究所では常に6~8つの研究班が置かれ、環太平洋地域の生活・民俗文化、愛知の郷土玩具・食品・もめん、三河地域の食習慣と健康・旅情報などをテーマに研究活動を行い、それらの研究は研究報告書に纏められたほかに毎年の大学祭で開催される研究報告会で報告してきた。
しかし、生活文化研究所がライフスタイル研究所と改称された後、研究所が置かれていた建物が平成18年(2006)9月に音楽棟新築工事のために取り壊しとなったため、研究所は今日まで休眠状態にある。なお、建物取り壊しに先立ち残すべき資料と処分する資料をこれまで研究所の研究活動に携わってきた教員が中心になり選別した。残した資料のうちで研究報告書や蒐集した資料等は現在1号館2階に保管されている。

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経営研究所
経営研究所は、昭和62年(1987)経営学部開設にともなって同年7月に開設された。設立の目的は「経営学および関連諸学の研究を行い、その成果を本学の経営諸学の教育に反映させるとともに、産業社会の進歩発展に貢献する」ことであったが、この10年間もその趣旨に基づいて活動を行ってきた。
経営研究所の機関誌『経営研究』は毎年2回発行され、経営研究所所員(経営学部教員)の研究発表の場となっており、経済・経営の動向を踏まえた研究が発表されている。とくに近年は、現在の社会が求める課題に応え、企業だけではなく公共サービスや非営利組織の動きにかかわる論文もしばしば発表されるようになっている。
公開講演会も本研究所の大きな事業である。近年でいえば、講師として名古屋国税局総務部国税広報広聴室長・日本経済新聞社記者・株式会社DBPR社長などを招いている。また、地元の豊田商工会議所会頭渡辺祥2氏による「中小企業の現状と課題」としての講演会や豊田市市会議員による豊田市における大学の役割などについての講演会を開催し、地元との交流を深めてきたこともこの間の特色である。
シンポジウムも開催されている。最近でいえば平成22年(2012)11月30日には、「『食』のマーケティングとまちづくりのシンポジウム」が開催されているが、地域とのかかわりを問題にしたもので、近年のこの研究所の問題関心を表している。
このほか学内研究会や退職記念講演会の実施、学泉祭では学生研究発表の機会を設けたほか、教育と研究のためのプロジェクトとして「基本経営用語集」の刊行も実現している。

コミュニティ政策研究所
コミュニティ政策研究所の活動はコミュニティ政策学会と強いつながりをもっている。
平成14年6月に、本豊田学舎で開催された同学会の設立大会において「コミュニティ政策学会・研究フォーラム」が発足し、本研究所内に学会事務局を置くことになった。そのため本研究所は設立大会以降の大会(犬山市・宝塚市・八戸市・奈良市・東京都・新潟市・高松市・札幌市・京都市)の開催と毎年開催されるシンポジウムの企画に深くかかわってきた。そして、10年が経過した平成24年7月には、安城学園創立100周年記念事業の一環として第11回大会を再び豊田学舎で開催した。

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もちろん、コミュニティ政策研究所は、その他にもさまざまな活動を行っている。毎年、機関誌『コミュニティ政策研究』『コミュニティ』を発行している。このうち『コミュニティ』には、毎年各ゼミの優秀な卒論の抜粋を掲載している。
また学部教員の相互理解と研究の深化を目的に「学部研究交流サロン」を原則、毎月行っている。また市民向け企画として、毎年、シンポジウムを開催してきた。
平成18年度には地元の「逢妻地域会議学習会」を逢妻地域会議・豊田市役所・愛知学泉大学の3者共催で実施した。平成19年度(2007)は、学部として取り組んだ「豊田市まちづくり懸賞エッセイ2007」の表彰式を兼ねたシンポジウムの開催に研究所としても協力した。平成20年度は、コミュニティ政策学部10周年イベントとして実施された「まちフェスタinみかわ」の実施を支援。5月には、西春日井郡豊山町と法人本部がコミュニティ政策分野における包括協定を締結、これに伴い研究所としても特別プロジェクトを発足した。平成23年度(2011)の研究所運営にあたっては、学部の統合に伴って研究所の統合が現実の課題となっていることを受けて、経営研究所との合同ワーキング会議を開催し、新研究所のコンセプトや合同事業、次年度の事業計画等検討を進めた。

図書館の活動
この10年間の岡崎図書館の大きな動きは、平成19年、幼児教育学科岡崎学舎への移転に伴って新5号館が建設され、同図書館も同館の2階・3階に移動したことである。そして、それを受けて日常的にさまざまな活動を行ってきた。この岡崎図書館の設備については第2章第2節に述べてある。
他方、豊田図書館は、平成16年度(2004)に名古屋商工会議所から蔵書の寄贈を受け、名古屋商工会議所文庫として整備を図った。同年10月には、塩澤君夫名古屋大学名誉教授等の研究者を迎え、「名古屋商工会譲所からの資料の意義」と題するシンポジウムを開催した。なお、この名古屋商工会議所文庫は、平成24年度には、その整理において一定の目標を達成する。戦前期の経済だけでなく都市行政・植民地史等の貴重な資料を含む同文庫は、全国の経済史等の研究者より高い評価を受け、多くの研究者が調査に訪れている。

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また学生や教職員、さらに地域に対するさまざまな活動を行っている。「図書館サロン」は、アットホームな雰囲気の中で寛いだディスカッション等を楽しむ図書館の事業である。また、平成15年度(2003)に青山静子非常勤講師によりはじめられた英会話教室はその後中国語・フランス語のクラスを増設した語学講座として、平成24年度(2012)には開講クラスが100を超えた。講師と一人一人の受講生との交流が地域の方に大変好評であった。また、ホームページのリニューアル、教職員向け「メルマガ」の定期的発行、テーマ展示の継続、「館長ブログ」の開始などにより、本の粒立ちをよくして利用者にとって図書館をより身近に感じてもらうための活動をすすめている。その結果、学生が学習を進める場所として利用する姿が目立つと同時に、地域の人びとが連日利用する姿も見られるようになった。

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